玉泉洞 読み方と由来

「玉泉洞」の正しい読み方は「ぎょくせんどう」。この美しい名前に込められた意味と由来を詳しく解説します。

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玉泉洞の正しい読み方

玉泉洞

ぎょくせんどう

Gyokusendo(ローマ字表記)

「玉泉洞」は「ぎょくせんどう」と読みます。「ギョクセンドウ」とカタカナで表記されることもありますが、正式には平仮名で「ぎょくせんどう」です。この読み方は、漢字の音読みに基づいています。

初めて見る方の中には「たませんどう」「たまいずみどう」などと誤読する方もいますが、正しくは「ぎょくせんどう」です。沖縄を訪れる際は、ぜひ正しい読み方で覚えてください。

漢字の読み方と意味

「玉泉洞」という名前は、3つの漢字から構成されています。それぞれの漢字の読み方と意味を見ていきましょう。

玉(ぎょく)

訓読み: たま
音読み: ギョク

意味: 宝石、美しい石、大切なもの、輝くもの。特に、翡翠(ひすい)などの美しい石を指します。転じて、「美しい」「貴重な」という意味も持ちます。

泉(せん)

訓読み: いずみ
音読み: セン

意味: 地下から湧き出る水、清らかな水源。「泉」という漢字は、水が岩の間から湧き出る様子を表す象形文字から生まれました。

洞(どう)

訓読み: ほら
音読み: ドウ

意味: 洞窟、穴、空洞。山や崖にできた自然の空洞を指します。「洞穴(どうくつ)」「洞窟(どうくつ)」などの言葉でも使われます。

「玉泉洞」という名前の意味

「玉泉洞」を直訳すると、「玉のように美しい泉がある洞窟」という意味になります。この名前は、洞内に湧き出る清らかな地下水と、宝石のように輝く美しい鍾乳石を表現しています。

洞内には実際に地底湖があり、透明度の高い美しい水が湧いています。また、鍾乳石がライトアップされてキラキラと輝く様子は、まさに「玉」=宝石のようです。「玉泉洞」という名前は、この鍾乳洞の最大の特徴を見事に表現した、非常に的確で美しい命名と言えるでしょう。

発音のポイント

日本語が母語でない方のために、発音のポイントをご紹介します。

  • ぎょ(gyo): 「gi」と「yo」を素早く続けて発音します。英語にはない音ですが、「ギョ」と一音節で発音します。
  • く(ku): 「k」と「u」の音。英語の「cool」の「cu」に似ていますが、より短く発音します。
  • せん(sen): 「se」と「n」の音。英語の「send」から「d」を取った音に近いです。
  • どう(dō): 「do」と長音「ー」。英語の「dough」に似た音ですが、より平坦に、長めに発音します。

アクセントは「ぎょくせんどう」と、「せん」の部分を少し高めに発音します。ただし、日本語のアクセントは地域によって異なるため、標準的な発音として参考にしてください。

玉泉洞の命名の歴史

発見と命名

玉泉洞は1967年3月に愛媛大学学術探検部によって発見されました。それまで、地元の人々はこの場所に洞窟があることを知っていましたが、その全貌は明らかではありませんでした。

学術調査の結果、全長5,000メートルという国内有数の規模を持つ鍾乳洞であることが判明しました。また、100万本以上の鍾乳石が密集する様子や、美しい地底湖の存在が確認され、その学術的・観光的価値の高さが認められました。

「玉泉洞」という名前は、この発見後に付けられました。命名の経緯については諸説ありますが、洞内の美しい地底湖と輝く鍾乳石を見た調査隊や関係者が、「玉のように美しい泉がある洞窟」という意味を込めて命名したと言われています。

なぜ「玉泉洞」という名前なのか

鍾乳洞の命名には、いくつかのパターンがあります。

  • 地名由来: 所在地の地名を付ける(例:秋芳洞、龍泉洞)
  • 特徴由来: 洞窟の特徴を表現する(例:青の洞窟、氷穴)
  • 伝説・神話由来: 地域の伝説や神話にちなむ
  • 美称: 美しい漢字を組み合わせた雅称を付ける

「玉泉洞」は、主に「特徴由来」と「美称」の両方の要素を持つ命名です。洞内の美しい地底湖という「特徴」を、「玉」「泉」という美しい漢字で表現した、非常に優れた命名と言えます。

沖縄の地名文化との関係

沖縄には独特の地名文化があります。琉球王国時代には、中国文化の影響を強く受け、美しい漢字を使った雅称が好まれました。「首里」「那覇」「玉城」など、沖縄の地名には「玉」や「泉」といった美しい漢字が多く使われています。

「玉泉洞」という命名も、こうした沖縄の地名文化の延長線上にあると考えられます。単に場所や特徴を表すだけでなく、美しい漢字を使って雅称とする文化的背景が、この名前には反映されています。

地元での呼び名

正式には「玉泉洞」ですが、地元の人々の間では様々な呼び方があります。

  • 「ギョクセン」: 「洞」を省略した呼び方。地元の人が日常会話でよく使います。
  • 「玉泉洞の鍾乳洞」: 観光客向けの説明では、「玉泉洞の鍾乳洞」と表現されることがあります。厳密には「玉泉洞」自体が鍾乳洞を指すため重複表現ですが、分かりやすさを優先した表現です。
  • 「おきなわワールドの洞窟」: 沖縄ワールドの一施設として紹介される際の呼び方です。

中国語・英語での表記

玉泉洞は国際的な観光地として、多言語での表記があります。

中国語

簡体字: 玉泉洞(yùquándòng / ユーチュエンドン)
繁体字: 玉泉洞(yùquándòng / ユーチュエンドン)

漢字文化圏である中国語では、日本語と同じ漢字「玉泉洞」をそのまま使用します。読み方は中国語の発音になりますが、意味は日本語とほぼ同じです。「玉」「泉」「洞」という漢字は中国語でも同じ意味を持つため、中国語話者にとっても理解しやすい名前です。

英語

表記: Gyokusendo Cave / Gyokusendo Limestone Cave
直訳: Jade Spring Cave(玉の泉の洞窟)

英語では、日本語の読み方をローマ字で表記した「Gyokusendo」が一般的です。パンフレットや案内板では「Gyokusendo Cave」と表記されることが多く、「Cave」を付けることで鍾乳洞であることを明示しています。また、直訳として「Jade Spring Cave」と説明されることもあります。

日本の他の有名鍾乳洞の読み方

日本には多くの鍾乳洞があります。玉泉洞以外の有名な鍾乳洞の読み方もご紹介します。

日本三大鍾乳洞

秋芳洞(あきよしどう)

所在地: 山口県美祢市
特徴: 日本最大級の鍾乳洞。全長約10km。

「秋芳」は地名(秋芳台)に由来します。「秋」は「あき」、「芳」は「よし」と読み、「秋に芳しい(香る)」という美しい意味を持ちます。

龍泉洞(りゅうせんどう)

所在地: 岩手県下閉伊郡岩泉町
特徴: 透明度の高い地底湖が有名。

「龍」は「りゅう」、「泉」は「せん」と読みます。「龍が住む泉の洞窟」という伝説に基づいた命名です。玉泉洞と同じく「泉」の字を使っています。

龍河洞(りゅうがどう)

所在地: 高知県香美市
特徴: 弥生時代の住居跡が発見された歴史的鍾乳洞。

「龍」は「りゅう」、「河」は「が」と読みます。「龍が住む河の洞窟」という意味です。

その他の有名鍾乳洞

  • 飛騨大鍾乳洞(ひだだいしょうにゅうどう): 岐阜県高山市
  • 井倉洞(いくらどう): 岡山県新見市
  • 千仏鍾乳洞(せんぶつしょうにゅうどう): 福岡県北九州市
  • 球泉洞(きゅうせんどう): 熊本県球磨郡
  • 昇仙峡(しょうせんきょう): 山梨県甲府市(※渓谷ですが、鍾乳洞もあります)

これらの鍾乳洞の名前を見ると、「洞」「泉」「龍」などの漢字が繰り返し使われていることが分かります。鍾乳洞の命名には、一定のパターンがあることが分かりますね。

沖縄の他の鍾乳洞

沖縄には玉泉洞以外にも、多くの鍾乳洞があります。

  • 沖永良部島の昇竜洞(しょうりゅうどう): 鹿児島県(沖縄に近い)
  • 石垣島の石垣鍾乳洞(いしがきしょうにゅうどう): 沖縄県石垣市
  • ガンガラーの谷: 沖縄県南城市(玉泉洞の近く、鍾乳洞が崩壊した谷間)

沖縄は琉球石灰岩の地質のため、数多くの鍾乳洞が存在します。その中でも玉泉洞は規模、美しさともに群を抜いており、「沖縄を代表する鍾乳洞」として知られています。

豆知識:鍾乳洞の読み方

「鍾乳洞」の読み方

「鍾乳洞」は「しょうにゅうどう」と読みます。

  • 鍾(しょう): 「あつまる」「つりがね」という意味。
  • 乳(にゅう): 「ちち」「母乳」の意味。ここでは、乳首のように垂れ下がる形状を表しています。
  • 洞(どう): 「洞窟」「穴」の意味。

「鍾乳洞」という言葉は、「乳首のように垂れ下がった石(鍾乳石)がある洞窟」という意味です。英語では「limestone cave」または「stalactite cave」と呼ばれます。

「鍾乳石」の種類と読み方

鍾乳洞内には、様々な形状の鍾乳石があります。それぞれに名前と読み方があります。

鍾乳石(しょうにゅうせき)

天井から垂れ下がる鍾乳石。「Stalactite(ストラクタイト)」

石筍(せきじゅん)

床から伸びる鍾乳石。「筍(たけのこ)」に形が似ていることから。「Stalagmite(スタラグマイト)」

石柱(せきちゅう)

鍾乳石と石筍が繋がって柱状になったもの。「Column(コラム)」

鍾乳管(しょうにゅうかん)

細い管状の鍾乳石。鍾乳石の初期形態。「Soda straw(ソーダストロー)」

石幕(せきまく)

カーテン状に広がる鍾乳石。「Drapery(ドレープリー)」または「Curtain(カーテン)」

フローストーン

石灰分を含む水が流れた跡に形成される。「Flowstone(フローストーン)」

玉泉洞では、これらすべての種類の鍾乳石を見ることができます。特に石筍と石柱の発達が顕著で、これが「東洋で最も美しい鍾乳洞」と称される理由の一つです。

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